夏風邪〜熱が出た!ほっといていいの?

梅雨入りして鹿児島では雨が続いています。今日は「夏風邪」についてお話ししたいと思います。
風邪って冬に流行るイメージがあると思いますが、夏の暑くてジメジメした環境が好きなウィルスもいます。
夏風邪の原因で多いのが「エンテロウィルス」というやつです。聞きなれない言葉ですが「エンテロ」は「腸」という意味なので、あったかくてジメジメしたところが好きそうなイメージですよね。

エンテロウィルスによる夏風邪で有名なものが二つあります。「手足口病」と「ヘルパンギーナ」です。5歳以下の子どもにとても多いです。手足口病はなんとなく聞いたことがありますが、ヘルパンギーナも聞きなれないと思います。病気の名前ってカタカナだと想像がつかなくて学生時代は苦労しました。実はドイツ語の「ヘルペス(水疱)」と「アンギーナ(のどの炎症)」を組み合わせてるので、そのままですね。手足口病もヘルパンギーナも、どっちも口の中に水膨れができるので、見た目と流行で診断します。ざっくり言ってしまうと、のどだけならヘルパンギーナ、手足もあれば手足口病です。全然名前は違うのに、実は二つとも似たような病気なんですね。

熱は3日くらいで下がることが多いです。特効薬がなく、のどが痛くて水分がとりにくくなるので、「熱い、辛い、酸っぱい、固い」食べ物はやめといた方がいいかもしれません。診断がついたら、水分がとれていれば自宅でゆっくり過ごしていただければ大丈夫です。痛み止めもかねて熱冷ましをお出しします。

熱が下がれば学校や保育園に行くことが可能です。ただ、エンテロウィルスは名前の通り、腸で増えるのでうんちの中にウィルスが2週間以上います。オムツを替えた後は、必ず手洗いをしっかりしましょう。このように診断がついたらほっといていいのですが、保護者の方がみずぼうそうやヘルペスと見分けるのは難しいと思いますし、熱性けいれんを起こしたり、「髄膜炎」や「心筋炎」といった重症になることもあります。夏風邪を疑ったらぜひ、小児科を受診して下さい。

すず小児科には6つの診察室があり、病気でしんどいお子さまが少しでも安心して診察を待てるように工夫しています。お困りのことがあれば何でもご相談下さい。


2025年05月18日