水いぼってプールに入っていいの?

水いぼって悩ましいですよね。7歳以下の小児によくみられる、伝染性軟属腫ウイルスが原因の皮膚の病気です。ウイルスが小さな傷や毛穴から入り込んで、増えていき、いぼになります。厄介なのが、どんどん増えていき、接触すると人から人にもうつるというところです。

治療法は①「とる」 ②「経過を見る」

の2択で意見が分かれるところです。①「とる」はトラコーマ鑷子という特殊な器具でとってもらいます。麻酔のテープを貼って痛くないようにしてからとる方法です。メリットは治療効果が確実で、治療期間が短くてすみます。弱点は、やはり子どもにとっては痛いし、怖いし、抑えつけられるし。。。ですね。個人的には数が少ないうちだと有効な治療法と思います。すず小児科には特殊な器具もなく、体を押さえつける道具(拘束帯)もないので、「とる」ご希望の方には、皮膚科をお勧めしております。皮膚科の先生でも「とる派」「とらない派」で分かれているようです。


②「経過を見る」は根気が必要です。免疫がつけば自然に治るのですが、自然治癒には、なんと6ヶ月から3年かかると言われており、個人差も大きいです。小児科ではヨクイニンというイボ治療では有名な漢方を使って治療することもあります。

ということで、今までは強制的に小児科では②「経過を見る」の選択肢しかなかったのですが、最近③「クリームを塗る」という選択肢が出てきたのでご紹介します。その名は「M-BFクリーム」。強い抗菌作用を持つ銀イオンを配合したクリームです。人体には非常に安全で、塗ると2週間から2ヶ月で水いぼが赤くなってきます。その後、うまくいけば1ヶ月で水いぼが消えていくとのことです。治療期間平均は2−3ヶ月。もちろん長いんですが、自然治癒の6ヶ月から3年に比べると短く感じます。弱点は保険が効かないので自費になります。税込2200円になります。診断後、医師の指示のもと、薬局で購入していただきます。

さて、表題の件です。結論から申しますと、プールの水ではうつらないので、入っても構いません。とはいえ、接触でうつるので、水いぼのある部位は覆っておいた方が無難かもしれません。また、タオル、浮き輪、ビート板などを介してうつることはあるので、共用は避けましょう。プールの後はシャワーで肌をキレイに洗って、しっかり保湿しましょう。

2025年05月30日