水痘(みずぼうそう)には度々痛い目に遭わされています。
自分自身、子供の時にみずぼうそうにかかってあまりの痒さに掻きむしってしまい、その後感染を起こして非常に苦しんだ記憶があります。幼稚園の頃だったのですが、まだあの痒さは覚えています。
そして、小児科の研修医になりたての頃、娘のみずぼうそうを見逃して父親の権威がダダ下がりしたことは悔いても悔やみきれません。
そう、2回予防接種しているので油断した初心者の自分がいけないんですが、それをくぐり抜けてくるみずぼうそうがあるんです。
その名も「ブレークスルー水痘」。症状も軽いのですが、1回接種では10-20%、2回接種でも数%はみずぼうそうを発症してしまいます。
報告を聞いて自宅に帰り、娘の頭皮に水疱を認めた時は崩れ落ちました。
頭の中に皮疹ができるのは他の多くのウィルス性疾患にはない特徴だからです。
発疹で病院を受診する時は、もし可能なら頭皮を確認して、もしあれば受診前にお電話いただけると非常に助かります。
なぜなら、みずぼうそうは空気感染し、非常に強い感染力を持つからです。
全ての皮疹がかさぶたになるまで感染力があるので学校に行ってはいけません。
では、感染を予防するにはどうすればいいのか。それはやはり予防接種です。
予防接種は1歳から3歳のうちに2回接種します。1回の接種でかかるリスクは77%減少し、2回接種で94%かかるリスクが減ります。また、かかっても症状は軽くすみむため、言い訳になりますが診断は難しいです。実際、娘は6%に入ってしまいましたが、父親のダメージとは比較にならないほど軽症ですみました。
もし、予防接種をしていなかったり、みずぼうそうにかかっていないお子さんが、みずぼうそうの人と接触してしまった時でも、72時間以内に緊急で予防接種をすれば、発症を予防できる可能性がありますので、ぜひご相談ください。