青あざの正体〜蒙古斑のお話〜

蒙古斑(もうこはん)。非常によく聞く言葉です。あざの中でも一番有名かもしれません。

赤ちゃんのお尻とか背中にできる青いあざで、英語では「モンゴリアンスポット」と言います。

モンゴリアンはモンゴル人、つまりアジア人という意味で、他の人種にも蒙古斑はありますが、特に日本人を含むアジア人に多く、ほぼ100%に認めます。

なんで青く見えるのかなんですが、その正体はメラニンという黒い色素です。

青あざ以外にも赤あざ、茶あざ、黒あざなどいろんな種類がありますが、同じメラニンが原因なのになぜ色が違うのか不思議ですよね。それはメラニン色素が存在する場所が違うからなんです。蒙古斑の場合、メラニン色素は「真皮」と呼ばれる皮膚の深い場所に存在します。深さが違うと表面から見える色合いが違って見えるということですね。

お尻の青あざであれば、10歳ごろまでにほぼ自然に消えますので、様子を見るだけで構いません。

一方、お尻や背中以外の場所、例えば腕や足に出来るものは「異所性蒙古斑」と言います。こちらも成長とともに自然に消えることが多いのですが、普通の蒙古斑より消えにくく、4%程度は異所性蒙古斑が学童期になっても残ることがあると言われております。特に洋服で隠れないところや、色の濃い青あざは子どもにとって気になるもので、レーザー治療の対象になることもあります。

気になる時は適切な医療機関にご紹介させていただきますのでお気軽にご相談ください。

2025年06月06日