子どもの内股、大丈夫?〜ぺたんこ座りにご注意を〜

幼稚園で先生に内股歩行と指摘され、ご相談を受けることがあります。

痛がる様子もないし、転びやすいもないし、整形外科でレントゲンも撮ってもらったけど問題なかった。

でもこれって本当に大丈夫なのか、「内反足」ではないのかと不安になる親御さんの気持ちは大変よくわかります。

確かに「内股」と「内反足」はどちらも足の向きに関連した言葉ですが、実は違う状態を指します。

今回はその違いについてできるだけわかりやすく説明したいと思います。

内股歩行は幼児期によく見られる歩行で、3−5歳に特に多いですが、ほとんどのお子さんで10歳ごろまでに自然に改善します。

その原因の一つといわれるのが、小さい子によく見られる座り方、「ぺたんこ座り」です。

あの正座の姿勢から両足を左右に広げてお尻を床につける座り方です。正面から見たら足の形がWに見えるので「W座り」ともいわれます。子どもは体が軟らかいのと、まだ体幹が安定しないので、あの座り方を好むのですが、将来的なO脚(ガニ股)やX脚(内股)の原因になるとも言われております。

基本的には治療は必要ありませんが、痛みを伴う場合、転びやすい場合などは小児科整形外科の先生にご相談することをお勧めします。

また、内反足についてですが、足首から先の先天的な形の問題であることが多く、新生児の頃に見つかることが多いです。「姿勢内反足」という一時的なものの場合、自然に治ることが期待できます。また、「先天性内反足」といって治療が必要になる内反足もありますが、ご安心ください。適切な治療を早期に始めることで、ほとんどのお子さんが問題なく歩行できるようになると言われております。

このように同じような言葉でも、実際にはよくある時期が違ったり、治療法が違ったりと、親御さんにとって判断がなかなか難しいことがたくさんあります。風邪の診察の時のついでで構いません。普段から気になっていることを何でもお気軽にご相談いただければ嬉しいです。

2025年06月16日