子どもの手汗は悩ましい

子どもの手を握った時に、季節に関係なく、手が汗ばんでいるなと思ったことがある方も多いかと思います。

実はこの手汗、「原発性手掌多汗症」という何だか難しい病名がついています。

「手汗くらいで・・・」とお思いのあなた!実は20人に1人の有病率で、発症の平均年齢も女子で11.6歳。実は多くのお子さんが「握手の時、嫌だなあ」「テストの時に鉛筆が滑ったり問題用紙が濡れてしまう」などの悩みを抱えておられます。

手汗の治療についてですが、塩化アルミニウム液が効果があることで知られていますが、保険適応がなく、自費での治療でした。

でも、最近(2023年)、保険適応の手汗のお薬がでて、治療のハードルが下がりました。

手汗の原因はとてもざっくりいうと自律神経のうちの「交感神経」が汗の腺を刺激することです。

その時に出る「アセチルコリン」という汗の腺(汗腺)に指令を出す物質を抑える薬がでました。

名前はアポハイドローションというお薬で、完全に手汗を抑えるわけではありませんが、臨床試験では4週間で半数の人の手汗を50%減らしたとのことです。

塗り方はシンプルで寝る前に手を洗って薬を塗るだけです。

注意点としては、交感神経を抑える薬なので、唾が出にくくなって口が乾いたり、目が乾いたり、便が出にくくなったりすることがありますので、症状が出たらご相談ください。また、小さいお子さんだと、塗った後に間違って目を擦ったりして痒くなったりすることもあります。

それでも手汗の治療が保険適応になったことは、手汗で悩む子どもにとっては朗報ですね。

試験は12歳以上で行われておりますが、ちゃんと使用方法を守れるお子さんであれば小学生からでも治療可能です。

手汗でお悩みの時はお気軽にご相談ください。

2025年06月20日