赤ちゃんのうなじの赤いあざの正体〜ウンナ母斑について〜

お久しぶりです、院長です。診察の時にご質問をいただきました。

「赤ちゃんの首の後ろに赤いあざがあります。大丈夫でしょうか?」

これは多くの場合は「ウンナ母斑」と言って、生まれつきの良性のあざで、新生児の2、3割に見られます。

結構多いですよね。

皮膚の下にある真皮(しんぴ)の毛細血管が拡張したために赤く透けて赤いあざになっています。

体の中心にできやすいことから「正中部母斑」とも言われます。

おでこにできると「サーモンパッチ」とか「天使のキス」など、可愛らしい名前で呼ばれることもあります。

うなじのものは「コウノトリの噛み跡」と呼ばれて、コウノトリが赤ちゃんを運ぶときにつく幸せのしるしと言われてきました。

明るいピンクから赤色で、平坦で盛り上がりがなく、境界はぼやけており、髪の生え際や後頭部に見られます。

お顔にできたサーモンパッチは多くは3歳ごろまでに薄くなり目立たなくなります。

うなじにあるウンナ母斑は、大人になるまで残ることもありますが、髪の毛で隠れるので、見た目も大きな問題にならないことも多いです。

治療はレーザー治療がありますので、ご希望の方は皮膚科や形成外科の先生とよく相談すると良いでしょう。

このようにウンナ母斑は、多くの赤ちゃんに見られる個性の一つであり、病的なものではありません。

ただ、赤いあざには他にも乳児血管腫(いちご状血管腫)や単純性血管腫(ポートワイン母斑)といった、専門的な治療が必要になるケースもあり、見分けるのが難しいこともあります。

赤いあざでご心配の時は、ぜひお気軽にご相談ください。

2025年08月21日